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【議会】H30年9月定例会/議案討論 原稿

2018/09/28 15:55 活動アーカイブ

本会議最終日の決算の認定に関して述べた会派の討論の原稿です。

いつものことですが、こちらは正式な議事録ではありません。文責は私にあります。

決算討論原稿

ただいま議題となっております認定第1号から第4号について、いずれも認定を可とする立場から、チャレンジ岡崎・無所属の会の意見を申し上げます。

平成29年度は歳入約1270億円、歳出は約1210億円。翌年度繰越財源充当額約10億円を控除した実質収支額は約47億円で、このうち財政調整基金へ35億円が編入されました。

一般会計における平成29年度の基金の残高は約300億です。一方で、借金にあたる市債に目を移すと、平成29年度の起債額は約55億、一方で償還額は元金利子併せて約63億です。単年度では差し引き約8億円の返済をされたことになります。これにより市債の残高は約616億円となりました。

財政の健全度を示す各種指標も概ね良好です。

実質収支比率は6.4%、財政力指数は1.02、経常収支比率は85.6%でした。また公債費比率も2.5%で次の世代に負担を残すことがない努力がされています。

県内他市との比較においては、標準財政規模における積立金残高の割合は13位、標準財政規模における地方債の残高は13位、実質収支比率が16位、財政力指数が13位、経常収支比率が12位となっており、経済が好調であるといわれる愛知県内においてもバランスのよい財政運営をされたことを伺わせます。

それは歳入にもいえます。

歳入全体のうち自主財源が約70%です。市民の税負担等により多くが賄われてることは、自治体の自主的な判断で政策決定できることを意味するものであり、評価するものです。

次に、人口です。平成29年度決算と関連する数字として平成30年4月1日の岡崎市の人口は3,86,943人であり、前年と比較すると1993人増加、増加率は0.52%でした。年齢別人口では年少人口が前年比0.44ポイント下がり14.6%、生産年齢人口は0.12ポイント上がり62.9%、老年人口は2.3ポイントあがり22.5%となりました。これにより、平成29年は本市がはじめて超高齢社会に突入した年となりました。

自然動態をみると、出生数は3,623人で、前年と比べ54人の減少。他方で、死亡者数は3,078人となり前年と比べ235人増加となりました。これにより自然増減は545人の増加ですが、前年と比べると34.65ポイントの低下となりました。

社会動態では、平成29年における転入者が16,930人、一方の転出者が15,371人で差し引き1,559人の転入超過でした。転入転出先ではどちらも県内が多く60%強がその傾向にあり、県外の転入転出は関東圏がその多くの比率を占める結果となりました。

平成29年は自然増社会増となり人口は増加傾向であったものの、人口構成は超高齢社会へ突入しました。

そこで、ご存知のように、来るべき少子高齢化、人口減少社会に向けた対策のひとつに、「岡崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」があります。平成29年は5カ年計画における3年目という位置付けでした。この計画には成果指標が設定されております。そのなかには転入者数を維持すること、転出者数を抑制すること、また市の合計特殊出生率を1.70にすることなどが掲げられています。引き続き、この戦略の推進をお願いしておきます。

平成29年度は、財布は健全ですが、足元は高齢化社会になりました。今後とも健全な財政運営を頂きつつも、人口減少社会、少子高齢化社会の本格的な到来に向け対策をしていただくとともに、将来につけを回さない経営をお願いしておきます。

次に、認定第2号「平成29年度岡崎市病院事業会計の決算の認定について」です。

H29年度の病院の利用状況は、入院延患者数は約21万人、外来延患者数は約29万人で、前年度と比較すると入院延患者数は6,652人の減。外来延患者数は8,131人の減少でした。

病院は「評判」が大切です。

口コミ、うわさ、ネットでの書き込みなどで病院は選ばれます。もちろんそこは当局も十分に理解をされております。平成29年度は「評判」をあげるための数々の対策をされました。ホームページでの情報発信、広報誌の発行、スタッフ育成として医師のコミュニケーション研修や患者説明実習、看護師をはじめとする他の医療職の接遇研修、コーチングによる人材育成も進められました。また看護師の働きやすい環境の整備、病棟における看護師の体制も維持されており、患者さんにきめ細やかなサービスをする体制の構築に努力されていると感じるところです。

他方で、病院医局のみなさんの労働時間がきになるところです。労働時間は当事者の生活のバランスを保つというだけではなく、生産性や、ひいては病院の評判にも関わる問題だと考えます。少なくともH27年度以来、本市の一人当たりの時間外勤務が多かった課に市民病院の医局が挙げられております。病院における「評判」は煎じ詰めれば、患者さんが接する担当医と看護師にかかっているものです。先生が優しくしてくれた。先生が親身になり相談にのってくれた。先生が気遣ってくれた。その印象が口コミで伝わり評判になっていくものだと思います。そのためにはやはり先生が心身ともに充実していることが必要であり、それには労働時間が影響するはずです。ぜひ、医師不足等で構造上難しい部分がはあると思いますが、評判向上のためにも、いまうたれている対策とともに、余裕ある先生方の働き方が構築できるようお願いをしておきます。

つぎに、認定第3号「平成29年度岡崎市水道事業会計の利益の処分及び決算の認定について」です。

平成29年度の水道事業会計では12月に男川浄水場が供用開始をいたしました。給水人口の増加などにより総収益は前年度と比較し2.0%の増となり、一方で、新男川浄水場の供用開始に伴い、旧男川浄水場に係る資産減耗費の増加などが影響し、総費用は前年度と比較し23.1%の増でした。これにより、純利益は前年度と比較して、約11億2,700万円の減となりました。

大幅な純利益の減少となりましたが、水道事業会計は、今後、人口減少社会の到来や節水機器の普及が進み、水需要の減少等により水道料金収入が減少すること、及び水道管路の改築更新に多額の費用が見込まれ収益状況の大幅な改善は期待できません。これらの課題に適切に対応し、安全・安心な水道水の安定供給のため、引き続き経営の合理化を進め、経営基盤の強化に取り組んで頂けるようお願いします。

最後に、認定第4号「平成29年度岡崎市下水道事業会計の利益の処分及び決算の認定について」です。

下水道は市民の生活にとり必要なことはもちろんのこと、都市の健全な発達に寄与し、あわせて水質保全に欠かすことのできないライフラインです。そのような観点からH29年度も各事業に取り組まれました。

下水道使用料は、増加したものの、他会計負担金などの減少により、総収益は前年度と比較し約0.4%の減でした。一方、支払利息および企業債取扱諸費などの減少により、総費用は前年度と比較し2.5%の減となり、純利益は前年度と比較し約1億7,000万円の増となりました。

よって、本年度の純利益は増加ですが、下水道事業会計は、多額の企業債残高を抱えていることや依然として資金が脆弱な状況です。加えて、水道事業と同様に、人口減少社会の到来などによる、下水道使用料収入の減少が懸念されること、及び中長期的には下水道施設の老朽化による改築更新需要が高まるなど様々な課題を抱えています。今後、経営の健全化および効率化に努め、自立的な経営基盤の強化に取り組む必要があります。

下水道使用料の減少が見込まれるなかでもしっかりとその課題に向け対策を進めて頂きますようお願いします。

以上を申し上げて認定1号から4号の全てを可とする意見とさせて頂きます。