「読書のチカラを未来へ」~岡崎市 子どもの読書実態とこれから~

子どもたちが本にふれる機会が少なくなっています。
岡崎市は、読書に関するアンケート調査を実施しました。対象は園児から高校生までの子どもと、その保護者です。

調査結果から、いくつかの気がかりな変化が見られました。「本が好き」と答えた割合は、小学生が51.6%、中学生が49.5%、高校生が59.3%でした。前回と比べると、小学生と中学生で減少しています。

また、「この1か月に本を1冊も読まなかった」と答えた割合は、小学生で17.4%、中学生で27.0%、高校生では51.7%にのぼりました。とくに小中学生では、読書をしない子どもが大きく増えています。

本を読むようになったきっかけについては、「家に本がたくさんあったから」が最も多く、「家で読んでもらったから」は減少していました。家庭での読書のきっかけが少なくなっているようです。

学校の図書室も、以前より利用されなくなっています。小学生の27.6%が「週に1回以上使っている」と答えましたが、前回の33.3%から減少しています。「学校の図書室を使うようになって読書を始めた」と答えた子どもも減っており、学校図書室の役割が弱まっていると考えられます。

図書館や市民センターの図書室では、小中学生は「本を読むため」、高校生は「勉強するため」に利用している人が多いという結果でした。しかし、「ティーンズコーナー(中高生向けの本のコーナー)を知らない」と答えた中高生が60%以上にのぼっており、周知の工夫が必要です。

保護者の意識にも変化が見られました。園児の保護者は「ちょうどよい読書量」と考えている人が多かった一方、小学生の保護者では「もっと読書をしてほしい」と感じている人が増えていました。

これらの結果から、子どもたちが本と出会う機会が減っていることが明らかになりました。

私は1期目から、読書の機会を増やす取り組みの必要性を訴えてきました。今回のアンケート結果からもわかるように、読書習慣は家庭環境に大きく左右されます。

家に本がたくさんあるかどうか、親が図書館に連れて行ってくれるかどうか。本を読むかどうかは、保護者の生活習慣が大きく影響します。

しかし、学校図書館は違います。保護者の習慣に関係なく、子ども自身が気づいたときに自由に利用できる場です。だからこそ、学校図書館の充実は非常に重要な政策だと考えてきました。

そのような立場であるからこそ、今回の結果は残念でした。もちろん、他のメディアが強くなっている影響はいなめません。とはいえ、できることはたくさんあります。中央図書館からのセット貸し出しの復活。学校司書の充実などなどです。

優先順位を見直し、確実に取り組んでいけるよう、今後も訴え続けていきます。

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事

PAGE TOP