市議会議員って日頃なにをしているのか?
こうした質問をいただくことがあります。昨今では、地方議員の不祥事や議会中の居眠り、市長と議会との不毛なやりとりなどがSNSで取り上げられ、「地方議員は一体なにをしているのか」と疑問や不信感を抱かれるのも無理はありません。そうした不信感が背景にあるからこそ、このような問いが生まれてくるのだと思います。
ただし、この問いに対して一言で答えるのは難しいものがあります。というのも、地方議員の働き方は人によって異なるからです。本業を持ちながら議員活動を行うかたもいれば、私のように専業で取り組んでいる人もいます。ですから、「市議会議員はこういう仕事をしています」と一括りにするのは難しいのです。
それでも、三期九年目を迎えるなかで、自分なりに見えてきた活動のパターンがあります。それは、「議会活動」と「地元活動」をおよそ一か月半ずつ繰り返す、というサイクルです。
まず「議会活動」についてです。議会は年四回、三月、六月、九月、十二月に開催されます。議会そのものはその月に行われますが、実際にはその半月ほど前から準備が始まります。たとえば、三月議会であれば二月中旬頃から議案の精査、質問内容の検討、会派での意見交換などを行います。議会では、執行部が提出した議案を審査し、必要に応じて質問や討論を行い、最後に賛否を表明します。こうした一連の作業を含めると、議会活動は約一か月半にわたることになります。
議会が終わると、次は「地元活動」の期間になります。この期間には、卒業式や入学式への参列、町内会の総会への出席、新しくオープンする施設の見学、他自治体への視察などを行うことがあります。また、この時期にもっとも重視しているのは、市民の方々と直接お会いし、暮らしのなかの課題や市政への要望などをお聞きすることです。そうした声が、次の議会での質問や提案につながっていくからです。
このようにして、議会活動と地元活動をおよそ一か月半ずつ交互に行いながら、一年間を過ごしているのが私の市議会議員としての実感です。
近年では、地方自治において首長への期待が大きくなりがちです。首長もまた選挙で選ばれる存在であり、その影響力は増しています。現代は行政の役割も専門的・複雑化しており、行政権が強くなるのもある程度は自然な流れです。
しかし、私は自由民主主義の根幹は議会制度にあると考えています。議会は条例を定め、予算を決定し、行政をチェックする機関です。そして、その議会は私たち議員によって構成されています。もし議員が信頼を失えば、議会そのものの正当性が揺らぎ、制度の足元が崩れてしまいます。
だからこそ、私たち議員は市民の皆さんに対して説明責任を果たしていく必要があります。自分たちの活動を丁寧に伝え、不信感に真摯に向き合うこと。
それが制度への信頼を守る第一歩であり、議会制民主主義の土台を支えるために欠かせないはずです。
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