5月病が課題となる季節となりました。GW前後から体調や精神の不調を訴えるかたがおおくなるというものです。これは大人だけの問題ではありません。児童生徒もこの時期に学校へいくことに不安を抱えることが多いと指摘されています。
文科省がおこなった調査があります。令和5年度は小中学校に年30日以上登校しない不登校児童生徒数は、過去最多となる346,482人となり、前年度から47,434人増加しました。増加は11年連続となり、はじめて30万人を超えました。
不登校の原因としては「やる気がでない」「不安・抑うつ」が半数以上を占めています。なんとなくだるい、よくわからないけどいきたくない。こういう声がおおいことも頭にいれておかなければなりません。岡崎市も似たような状況です。
では、どうればいいのでしょうか。早期の介入をすること。コミニケーションをとること。居場所をつくること。この3点が必要です。
早期の介入は状態が均衡する前に第三者が手を差し伸べることです。どうしても親は「見守る」という選択をしがちです。それでは、状態が改善することはなく、ずるずるとそのままとなってしまいます。なるべく早い段階で、教師やスクールソーシャルワーカー(SSW)、スクールカウンセラー(SC)等が親子関係に介入することが大切です。
ふたつめとして、親と子のコミニケーションを断絶させないことです。不登校が長期化すると、食事を別にとる。生活リズムがばらばらになるといった事態を招きます。これが不登校の長期化をまねく要因とされています。これを回避するためには、親と子が会話をする。食事をともにする必要があります。
そして最後に家庭の外に居場所をつくることです。これは友達の家でも、親戚の家でも、塾でも、その外側であればいいとされています。これがあるかないかで、その後の社会への接続がおおきくかわります。
岡崎市においてもこれらを制度化しています。SSWやSCを配置し親と子への介入をしつつ、適切な助言をしています。また、学校内にF組とよばれる校内フリースクールを設置しました。加えて、昼間に学校に通うことのできない子供の支援として、授業後に登校できるS組も設置されています。これは居場所支援として有効です。
ただし、施策の成否を不登校率や登校日数といった単一の数値だけで判断する姿勢には慎重でなければなりません。登校が必ずしも児童生徒の幸福に直結するとは限らず、「安心感」「自己肯定感」「社会参加意欲」など質的な側面もあわせて評価する必要があります。登校することがその子の幸せになるとは限らないからです。
あくまで教育の目的は「よき市民を育てる」ことです。その子にとり何が最適なのか。それを探る営みを辛抱強くつづけることが、岡崎市の歩む道であってほしいと願い、わたし自身も課題に取り組んでいきたいと想います。
コメント