岡崎市は毎年「観光白書」を発行しています。
Q.令和6年度版岡崎市観光白書を作成しました。 | 岡崎市ホームページ愛知県岡崎市公式サイト
2023年度といえば、2023年1月8日から12月17日に放送された大河ドラマ「どうする家康」が放映された期間と重なります。
その間、本市の動向はどうだったのか?その一端が示されています。
令和5年度の岡崎市の観光は、NHK大河ドラマ「どうする家康」の影響を大きく受けました。
特に岡崎公園は、ドラマ館の設置によって観光客が急増し、前年の約2.2倍となる1,242,700人が訪れました。これは、平成30年度(36万7,700人)と比較すると約3.4倍の増加です。過去には「家康公四百年祭」が開催された平成27年度(約408万人)がピークでしたが、それをさらに上回る結果となりました。
ドラマ館の設置が、市内の観光を大きく活性化させたことが分かりますね。
また、美術博物館では「どうする家康」特別展が開催され、多くの来館者が訪れました。さらに、岡崎の名産である八丁味噌の蔵見学も人気が高まり、観光客が増加しました。これらの施設は岡崎公園から近く、家康ゆかりの地として注目を集めました。
特に八丁味噌は「家康の食文化」として紹介され、土産としての購入も増えたようです。
一方で、宿泊者数の増加は限定的でした。
令和5年度の宿泊者数は346,077人で、前年よりわずか450人の増加にとどまりました。日帰り観光が主流だったことが大きな要因で、名古屋など都市部からのアクセスが良いため、多くの人が宿泊せずに帰ってしまったようです。
今後は、夜間イベントや体験型観光を充実させ、宿泊につなげる工夫が求められますね。
また、外国人観光客の増加も見られました。バスツアーを利用して岡崎公園を訪れた外国人は1,145人で、前年の133人から大幅に増えました。
しかし、平成30年度の4,682人と比べると、まだ回復には至っていません。特に台湾やタイからの観光客が多く、中国や韓国の訪問者は少ない状況でした。今後は、インバウンド対策として多言語案内の充実や、訪日外国人向けのプロモーションを強化することが重要になりそうです。
さらに、交通機関や駐車場の利用者も増加しました。岡崎公園の駐車場を利用したバスは5,053台で、前年(1,094台)の約4.6倍に増加しました。
団体ツアーが復活したことが大きな要因で、大河ドラマ効果が明確に表れています。乗用車の利用台数も170,683台(前年比4.7%増)と増え、駐車場の混雑が課題となりました。
「どうする家康」は、観光施設の集客には大きな効果をもたらしましたが、宿泊者数の伸び悩みや外国人観光客の回復の遅れといった課題も浮き彫りになりました。
今後は、大河ドラマの影響を活かしながら、滞在時間を延ばす工夫や、海外からの観光客を増やす取り組みが求められると思います。
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