部活動の地域移行と総合型地域スポーツクラブの可能性

部活動が大きく変わろうとしています。
理由はいくつかありますが、ひとつは、先生たちの忙しさです。もうひとつは、学習指導要領で部活動の位置づけがはっきりしていないことです。

こうした全国的な動きを受けて、令和5年(2023年)に岡崎市は「岡崎市中学校地域ブロック部活動の進め方について」という文書を発表しました。

そこでは、部活動の地域移行を3段階で進めることが書かれています。

まず、ひとつめは「子ども」の地域移行です。市内の20の中学校を8つのブロックに分けて、ブロックごとに部活動をするというものです。ふたつめは「活動の地域移行」です。学校の管理外で活動できるように、条件を整えるとされています。いままで学校内で活動をしてきました。そのため、設備が学校外のかたが利用するようになっていません。それらに対応するための設備を整えることが予定されています。

そして、最後に「運営の地域移行」を進めます。ここはまだ明確になっていません。とはいえ、指導者の確保や、送迎をどうするのかなど、考えなければならない課題はたくさんあります。

とはいえ、令和11年度(2029年度)には、外部の団体が運営するしくみに変える予定です。このような大きな変化が起きようとしています。

では、運営が地域に移されたあと、どうすればいいのでしょうか。

わたしは、「総合型地域スポーツクラブ」がよいのではないかと考えています。これは、地域の人たちが身近な場所でスポーツを楽しめる新しいタイプのクラブです。子どもから高齢者まで、初心者からトップレベルの人まで、だれでも参加できます。さらに、地域の住民が自主的に運営するという特徴もあります。

部活動の地域移行は、こうしたクラブを広めるチャンスだと思います。日本では昔から、いろいろな世代が一緒にスポーツを楽しむ環境が課題でした。どうしても、「体育」という側面があり、世代間で楽しむという発想がなかったからだと思います。

総合型地域スポーツクラブには、その課題を解決する力があります。
スポーツを中心に地域が活性化すれば、いろいろな世代が集まってお互いに知り合う機会も増えます。競技によっては、年齢が違う人たちが同時に楽しむこともできるでしょう。

ただし、部活動のよい点は失ってはいけません。とくに、家の収入に関係なく子どもがスポーツをできることは、部活動ならではの大きなメリットでした。この大切な部分は、しっかり守っていく必要があります。そしてそれには公費の負担が必要です。

とはいえ、部活動を地域に移行することで、スポーツを社会のなかで新たにとらえるチャンスが生まれました。

わたしは、この機会を逃さずに進めるべきだと考えています。

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