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議長のお許しをいただきましたので、一問一答方式で、通告に従い、質問をさせていただきます。
目次
1.QURUWA戦略について
(1)現状
(2)国道1号線を地中化することで街の分断解消、公共用地の確保
(3)東岡崎駅前の道を一方通行にすることで歩く空間の確保
(4)岡崎城周囲の松を歴史的に戻し、お城を象徴に
(5)景観デザインをコントロールする必要性
1.QURUWA戦略について
(1)現状

QURUWA戦略についてということで、現状と今後、確認させていただきたいと思います。
QURUWA戦略、大まかに言えば、多くの人が歩きたくなる、ぶらぶらしたくなる町を目指して実行されてきた計画であると理解をしております。そのためにハード整備を行ってきました。それに加え、いろいろな人が元気に活動してもらえる仕組みづくり、いわゆるソフト事業を展開しています。
その事業も多岐にわたると思いますが、詮ずるところ、飲むところや食べるところ、見に来るところが増え、滞在時間を増やす道筋であると理解をしています。この図、何回も御覧になっていると思いますが、その実現を目指すエリアとしましては、東岡崎から桜城橋、その上に行って籠田公園、また三つの通りを西に抜けて、りぶら、伊賀川を下り岡崎公園、そして太陽の城跡地といった形で、このエリアが設定されています。
私の理解はこのようなものですが、もし付け加えることがありましたらお願いをいたします。
◎都市政策部長(鈴木広行)
おおむね議員がおっしゃるとおりでございます。多少付け加えるならば、町なかに人の回遊を促す取組として、籠田公園や乙川河川緑地などの良質な公共空間を活用した地元自治会や民間主体のイベントの開催や、魅力的な店舗の誘致に向けたイノベーションまちづくりなど、公民連携による取組を行っているほか、東海オンエアのメンバーが描かれたマンホールの設置をはじめ、町なかの回遊や観光促進を目的としたサイクルシェアの導入など、様々なソフト事業を展開しております。
乙川リバーフロント計画には様々な目的があり、いろんな人が活動している場所であるということも理解をいたしました。今回は、その中で歩ける町、いわゆるウオーカブル、そして人々の滞在時間を増やす取組について伺ってまいります。
まずは現状のハード整備です。東岡崎駅、現状では残されているところとして東岡崎駅周辺地区の第2期整備がありますが、こちらについて、現状はどのようになっているのか、お伺いいたします。
◎都市基盤部長(横山晴男)
東岡崎駅周辺地区の第2期整備につきましては、令和3年11月15日付で名鉄と協定した基本協定に基づき、着工に向けた調整を進めているところでございます。南北自由通路及び橋上駅舎などの交通施設整備事業につきましては、昨年度から今年度にかけて2か年の予定で橋上駅化のための調査設計を実施中であり、令和5年度の着工を予定しております。
また、駅ビルやバスターミナルなどの市街地再開発事業につきましては、本年7月に都市計画決定を行い、現在は施設建築物の基本設計や資金計画作成など、令和6年度の駅ビル解体開始に向けた事業計画の検討を行っているところでございます。
それでは、もう一つの(仮称)乙川リバーフロント交流拠点、いわゆる太陽の城跡地のコンベンション施設についてですが、改めてこちらの現状についてお伺いいたします。
◎総合政策部長(手嶋俊明)
乙川リバーフロント交流拠点整備につきましては、市民の皆さんからの意見聴取の結果を踏まえ、昨年11月に取りまとめをしました新たな方向性の具現化に向けて、必要な施設の一部変更や機能の拡充が図られるよう要求水準を見直し、それに伴う予算の見直しを行いました。
その結果、現在精査中ですが、物価の高騰による建設価格や維持管理運営費の増加、また、市民の意見聴取からまとめたアップグレード項目に対する機能の拡充などのために、市の費用負担額は当初計画の約80億円から4割程度増加する見込みとなりました。
あわせまして、費用負担の軽減につきましても検討しており、市民利用に資するアップグレード項目などに対する施設や設備が補助金の対象となるよう、国、県と調整を進めております。優先交渉権者とは9月下旬から改めて協議を開始し、要求水準の変更案や事業費の変更想定などを共有する中で、事業実施の可否について意見交換を始めているところでございます。
それではソフト事業について伺ってまいります。QURUWA戦略で今年度実施している新規ソフト事業の取組について、どのようなものがあるのか、お伺いをいたします。
◎都市政策部長(鈴木広行)
QURUWA戦略の取組としては、新たに四つの事業を展開しております。
一つ目は、時代の変化やニーズに対応した、公共空間と民間遊休不動産の活用や、町の課題の解決に向けた事業リノベーションスクールを新たに実施しております。スクール開催には、募集しましたところ、17社参加していただいており、延べ6回のスクールへの参加を踏まえて、QURUWA地区での活動や新規出店、異業種間の連携による新たな産業の創出につながることを期待しております。これまで3回実施しましたスクールの状況から、新たな事業構想のイメージを思い描いている事業者が出てきており、今後の状況を楽しみにしております。
二つ目として、東岡崎駅の第2期整備に注目が集まる中で、東岡崎駅周辺のまちづくりの指針となるような東岡崎駅エリアビジョンの更新を進めております。今年10月5日、市民や事業者を対象にQURUWAシンポジウムを福祉会館大会議室で開催し、108名の参加をいただき、参加された方から、子育て世代も集まる場所を目指すことはとてもよい、駅と町と乙川がつながるとよい、市だけに頼るだけではなく、地域は市民がつくり、市役所はバックアップするなど連携する体制がよいなど、ビジョンに書き記すヒントを得ることができました。今後、乙川リバーフロント地区まちづくりデザインアドバイザーの意見を伺いながら、今年度中にエリアビジョンの案を策定する予定をしております。
三つ目、今年4月から新しいQURUWAウェブの運用開始をしております。このウェブでは、QURUWAエリアで開催されるイベントや民間活動を情報発信しているほか、トップページに日常の活動や生活風景のショート動画など、町の魅力を発信しております。この結果、1か月当たりのウェブへのアクセス数が昨年1,700件であったものが、今年1万5,000件と大幅に増加をしております。そして、このウェブサイトをさらに魅力的なものにするため、地元に愛着を持つ担い手を中心に、情報発信ができる体制づくりに向けて、人材の発掘や育成に取り組んでおります。
最後に、康生通りでは、これまでの社会実験を踏まえまして、昨年度、沿道の商店と名古屋工業大学が連携して、「今と昔が協奏し、次の500年を生きる商いの街」を目指した康生通りエリアビジョンを策定しており、今年度、このビジョンを具体的に推進するために、株式会社まちづくり岡崎や7町広域連合次世代の会と連携し、取り組んでおります。
創業支援、エリアビジョンの策定、情報発信、そしてビジョンの実施と進んでいることを理解いたしました。
それでは、先日、実際、次世代モビリティーの活用が始まったとありましたが、その目的と詳細についてお伺いをいたします。
◎総合政策部長(手嶋俊明)
次世代モビリティーの活用につきましては、周辺道路の交通渋滞緩和のため、公共交通機関の利用を促進しておりますが、東岡崎駅から岡崎公園までの移動を楽しく快適にしていただくため、次世代パーソナルモビリティー、シーウォークを活用した移動支援の実証実験を11月23日から行っております。2月12日までの土曜、日曜、祝日において、事前予約制で乙川河川敷左岸の船着き場から伊賀川右岸の船着き場まで試乗体験をすることができます。この事業は、県のモデル事業の採択を受けて行う公民連携事業で、河川空間における屋外での継続使用により、安全性や運営手法、予約制シェアシステムの最適化など、今後のシェアリングサービスの構築に向け、課題を整理していきます。
あわせまして、河川敷に路面太陽光パネルを設置し、電動キックボードに給電する事業が民間事業者により行われております。シーウォークと同様に、河川敷の移動に活用するとともに、町なかの脱炭素に向けた取組の一つとしまして、活用の可能性について事業者とともに研究してまいります。
画像をよろしくお願いいたします。
今、御説明にあったのがこちらの事業だというふうに理解をしております。

東岡崎から桜城橋、また、りぶらから岡崎城までは何となく歩ける気がします。そうなりますと、岡崎城から桜城橋の間に課題があると感じていました。
今回の次世代モビリティーは、実証実験でありますが、この間の移動をわくわくしながらできるものの一つであると思っておりますので、実験の検証に期待をしたいと思っております。
それでは、滞在時間を増やすという観点からは、やはり夜の町、そして宿泊が必要かと思います。お伺いをいたします。ナイトタイムエコノミーの事業である宿泊滞在型の観光ツアーについての進捗はいかがか、お伺いします。
◎総合政策部長(手嶋俊明)
宿泊滞在型の観光ツアーにつきましては、市が抱える社会課題の解決を目的としたアイデアコンテスト、アーバン・イノベーション・岡崎におきまして、観光夜間消費額の拡大という課題に対し、株式会社さとゆめから提案された事業であります宿泊滞在型の観光ツアーを進めております。
ツアー名は「まちとくらしを感じる岡崎ステイ」とし、実施日は今月10日から11日と、来年1月14日から15日、そして1月28日から29日の3回の予定で、初回の分は既に完売となっております。
コンセプトを「みる、ふれる、かたる、ともる」としまして、岡崎城下町の地域資源、文化、風情や、そこに住む人々に五感で触れ合っていただき、この地にしかない落ち着きや温かさを感じてもらうことで、ぽっと小さな明かりがともるような、これまでに気づかなかったものの魅力がふっと見えるようになる、そんな心地よい旅を提供しようとするものでございます。1泊2日で3食つき、1日5組限定で、1人税込み2万2,000円で実施する予定でおります。
滞在時間を増やすといった目的に向けても動き出していることを確認させていただきました。
(2)国道1号線を地中化することで街の分断解消、公共用地の確保
それでは、今後に移らせていただきます。
このQURUWAエリアに、今以上に歩きたくなる町を目指すといった、そこに主眼を置いた場合、やはり問題になるのは、このQURUWAエリアを分断している国道1号であると思っております。
そこでお尋ねします。QURUWAエリア内の国道1号を地中化する、地下に通すということを国に提言するのはどうでしょうか。例えば、岡崎市役所前の島町交差点から国道248号までを地中化すると、南北の分断の解消、そして大幅な公共用地の確保が可能となります。日本の大動脈をいじるのは、とてつもなく困難であると思いますが、見解をお伺いいたします。
◎都市政策部長(鈴木広行)
国道1号の整備は、国土交通省が市役所南交差点から岡崎公園前交差点まで延長約1.3キロメートルの区間で都市計画事業として道路幅を30メートルへ拡幅し、車道や歩道の幅を広げ、また自転車通行帯を設ける事業に着手しています。この事業により、電柱や電線が撤去され、安全で快適な歩行者や自転車の通行空間が確保されることにより、効果として良好な景観の形成や、震災時などにおける電柱の倒壊がなくなることが期待されます。
本市におきましては、岡崎市都市計画マスタープランの中央地域の地域別構想に記載しています道路・公共交通に関する方針と主な施策の中で、国道1号における快適空間づくりとして、国道1号の道路空間の再配分による歩行者、自転車通行空間の充実を図るため、未整備区間の整備を促進しますとしていることから、この事業の本市の目指す都市づくりの一環として考え、当事業の促進が図られるよう努めているところでございます。
QURUWAエリア内の公共資産は約5割と、他の市街化区域と比較しても高い割合であり、こうした公共空間を活用した公民連携の活動が進んでいると認識しております。QURUWAにおきましては、桜城橋から籠田公園をつなぐ区間を拠点間動線の一部として位置づけており、拠点間動線と交差する国道1号の整備におきましては、こうしたつながりに配慮していただくよう、国土交通省と調整をしているところでございます。
したがいまして、議員御指摘のような国道1号の地中化というところまで事業を考えておりません。
こちらは、つい先日、千葉市さんが実施した社会実験の案内です。

どうやら千葉市役所の前は人通りも多く、国道357号が分断をしていました。
そこで国交省が慢性的な渋滞緩和と安全確保のために、2015年に地下トンネル化を実施、その後の車線整備で、縦約470メートル、横約30メートル、およそ1万1,500平方メートルの上部空間が生まれ、そこを活用した社会実験です。分断の解消や交通渋滞の解消などの課題は、明らかにこのQURUWAエリア内の国道1号が持つ大きな課題だと思っております。
いつかこうなることを期待して、次の質問に行きます。
次は、もう一つ、ハードの整備なのですが、可能性についてお伺いいたします。
(3)東岡崎駅前の道を一方通行にすることで歩く空間の確保
これは東岡崎駅前の県道東大見岡崎線の明大寺本町交差点から東岡崎駅交差点までの道を一方通行にできないかということです。これは歩道を確保することが可能となります。現状、2車線ですが、これを1車線にすることによって歩ける空間が増え、大変魅力的な街路へ変貌すると思いますが、いかがでしょうか。

◎都市政策部長(鈴木広行)
県道東大見岡崎線は、道路幅17メートルの都市計画道路岡崎西尾線であり、令和3年度に実施した岡崎市道路交通情勢調査におきまして、この道路の朝7時から夜7時までの12時間の交通量が8,000台と、多くの自動車が利用している状況でございます。
この道路は、本市の中心部を走る都市幹線道路として、国道1号など主要幹線道路を補完する重要な道路であることから、一方通行にする考えはございません。
こういった事業はなかなか難しいと思いますが、ぜひいろんな手を考えていただきたいというふうに思います。
(4)岡崎城周囲の松を歴史的に戻し、お城を象徴に
それでは、少しエリアを移して、乙川沿いから見える岡崎城について考えていきたいと思います。
こちらは最近撮りました岡崎城の風景でございます。天守閣が松に隠れて、少しだけしか見えない状況になっています。

人は歩く際、多少遠くても、目指す目標物が見えたり、目視できますと、何となく歩いて行ける気がするものだと思っております。
こちらは姫路駅から見える姫路城という写真でございますが、これをアップしますと、こういうふうに姫路城が見えます。

皆さんも多くの方が行かれたことがあると思いますが、この姫路駅から姫路城までは距離にして約1.5キロです。桜城橋から岡崎城が800メートルほどで、姫路駅から姫路城よりも短いということが言えます。
もし、こういうふうに見えれば、もう少しいいのではないかというふうに感じているところです。とはいえ、ただ松を切れというのは、なかなか議論があると思います。
もう一個、こちらは明治5年頃の岡崎城という写真がございまして、明治5年頃の岡崎城は、松がもう少し短く、天守閣がしっかりと見えることが確認できます。

岡崎城を過去に復元するという観点からも、現在の松をもう少し低くしてはどうかと思いますが、市の考えをお聞かせください。
◎都市基盤部長(横山晴男)
岡崎公園は市指定史跡岡崎城跡になっており、岡崎城跡整備基本計画を踏まえて作成した植栽管理計画がございます。
この植栽管理計画の中では、自然樹形の松の大木は歴史的景観を構成する重要な樹木であるため、石垣を損傷するおそれがあるものは伐採し、それ以外のものは定期的な剪定などは行わず、枯れ枝や不良枝の除去など、公園の利用者の安全を確保するという方針で維持管理を行っております。
歴史的な景観とは何かということは、また改めて考えていきたいと思います。
(5)景観デザインをコントロールする必要性
それでは、ソフト面の今後についても少し伺っていきます。
先日、議会で乙川リバーフロント計画に深く関わってこられた藤村龍至先生の講演を拝聴いたしました。その際、先生から、今後、エリアの価値向上には民間開発のクオリティーをコントロールするための仕組みが必要であるというような提言をいただきました。そのとおりだと思いましたので質問をいたします。
現状、本市では景観デザインのコーディネートについて、どのような議論がなされているのか、お伺いをいたします。
◎都市政策部長(鈴木広行)
本市では、景観法に基づき、特に良好な景観の形成を重点的に推進する地区を景観形成重点地区に指定し、必要な規制、誘導や補助金などによる支援、公共事業の整備による景観形成を進め、クオリティー--質のよい、コントロール--調整を図り、景観を保全・創出することとしています。
この仕組みを活用し、QURUWAエリアについては、河川や公園道路空間の再整備が進んだ乙川沿い、中央緑道沿い、籠田公園周辺などにおいて、民間開発のクオリティーコントロールに向け、景観形成重点地区の指定を目指しております。
また、新たに建築物などが建設される際には、望ましい景観形成に効果的に寄与するために、建築計画などの内容を行政、専門家、事業者、設計者及び地域住民等が共につくり上げていく協議・調整方法である景観デザインレビューの試験的な実施も予定しております。
このような仕組みで、地区の景観形成を図り、エリアの価値や暮らしの質の向上につながるよう、地域住民の意向や専門家等の意見を聞きながら推進を図ってまいります。
しっかりと検討がなされ、前向きに進んでいるということを確認できました。今後に期待をしております。歩きたくなる町、そして滞在時間を増やす観点から質問をしてまいりました。今まで、そしてこれからも大変期待をするものです。
最後に、このQURUWA戦略におけるハード整備というのは、多くの市民の議論を巻き起こしてきました。
桜城橋、そして現在は交流拠点整備です。この件について、冒頭の質問では、物価の上昇による建設価格や維持管理運営費の増加、市民意見聴取からまとめたアップグレード項目に対する機能の拡充等のために、市の費用負担額は当初計画の約80億円から4割程度増加する見込みとなりましたと御答弁がありました。
様々な経緯はありますが、この見込みを聞き、私は改めて、市長がこの増額に対してどのように考えているのかをお伺いしたいと思いますが、市長いかがでしょうか。
◎総合政策部長(手嶋俊明)
私からお答えさせていただきます。
本事業は、第7次岡崎市総合計画の総合政策指針における分野別指針、中でも、商業と観光が成長産業となる地域経済づくりを実現することが最大の目的であります。そこに市民の意見聴取を踏まえた方向性を新たに追加することで、より市民の満足度の向上につながるものになると考えております。
しかしながら、市民からいただいた内容をどう実施するかなどにつきましては、民間の工夫に任せることや、議会の御意見も伺いながら精査したいと考えております。また、国の補助金を活用することで費用の削減に努め、最低限の費用増加で最大の市民満足度につながるような形で整備を実現したいと考えております。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
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