【視察】青森市まちづくり基本条例
2018/05/09 00:00 活動アーカイブ
視察2日目は、青森市の「青森市まちづくり基本条例」について視察をしてきました。
青森市まちづくり基本条例
昨日視察をした函館自治基本条例と比較することで青森市の特徴を考えることができそうです。
函館市自治基本条例について -視察1日目-
とりあえず、言えることは、条例全体の構成はそれほどの違いはなさそうだということです。
市民、議会、市長と行政。この三者の責務を記すとともに、三者が三様に主体的かつ有機的に関わることでよりよい町を目指すことが骨子になっています。
また策定プロセスにしても、細かい違いはもちろんあるのでしょうが、検討委員会の設置を経て、意見募集、そして、議会への上程、可決という流れれは同じであると思います。
ただ、やはり条例を作成した時代の影響なのか、それとも住民の気質の違いなのか、文体が異なるのが印象的でした。それを感じるには例のごとく前文にあたるのが一番。ということで、まずは青森市を。
青森市の歴史を語り、その伝統を大切にしていくことを述べた最後の末尾にはこう記されています。
わたしたちは、ここに、青森市のまちづくりの道しるべとする「青森市まちづくり基本条例」を制定し、「自分たちの地域のことは自分たちで考え、決め、責任をもって行動する」まちづくりの原点に立ち、市民、議会及び市長等の持てる力を出し合い、共に力を合わせ、連携してまちづくりに取り組んでいきます。
他方、函館市の末尾はこうでした。
わたしたちは,自ら行動して主体的にまちづくりにかかわるという決意を示すとともに,その担い手である市民,議会および市長等のそれぞれの役割や相互の関係などを明らかにして,ここにまちづくりの原点となる函館市自治基本条例を制定します。よりよい函館にするために。
どうでしょうか。
青森市の条例は時代の要請なのか、平易な言葉を使い、優しい文章で「語りかける」感じがする文体で書かれています。他方の函館市は硬い表現で進めていきながら、最後の一文の「よりよい函館にするために。」で倒置法を使用することで、目標を明確に定めそこに突き進んでいこうとする意志を感じさせるものになっいるのではないでしょうか。
文体に注目することで、形式や構成は類似でもで、それぞれの町の違いがわかります。
細かい話しですが、神は細部に宿る!笑
さて、函館の自治条例もそして青森市のまちづくり基本条例も理念条例であり、予算措置や罰則規定など実質的ななにかを動かすためのものではありません。
それでも、多くの人を巻き込みながら、時間をかけ、自分たちのあり方について議論を重ねていくそのプロセスは、得難い経験を付与するものであり、ひいては未来に対し間接的な影響を及ぼすはずです。
そういう意味でも条例策定はおもしろい取り組みだとあらためて感じた次第です。
いよいよ明日は視察最終日です。
しっかりと学び、またご報告できればと思います。
それでは、また。