岡崎市議会議員 小田たかゆき オフィシャルHP

【一般質問】2018年12月議会-1.子ども・若者の支援について/2.豊かな心を育む社会教育について/3.公共交通について

2018/12/06 23:30 活動アーカイブ

◆10番(小田高之) 

議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、1、子ども・若者の支援について、2、豊かな心を育む社会教育について、3、公共交通について、順次一問一答方式で質問をしてまいります。

それでは、大きな1番、子ども・若者の支援についてです。

(1)不登校への対策です。2000年代以降、昭和の人生すごろくが通用しなくなる中、家族構造の変化、地域社会の希薄化が進み、子供、若者にとり大変厳しい時代となりました。その結果、ニート、ひきこもり、不登校、発達障がいの子供、若者の抱える問題が深刻化し、その問題の解決には、従来の個別分野における縦割り的な対応では限界であることが指摘をされてきました。

そこで、平成22年、国において、子ども・若者育成支援推進法が施行され、同法に基づき、子供・若者育成支援推進大綱が策定されました。そこでは、課題の解決に向け社会全体で取り組むべきであると指摘し、一人一人の子供、若者の立場に立って、長期的な視点、発達段階についての的確な理解のもと、全ての若者が持てる能力を生かし、自立、活躍できる社会の実現を総がかりで目指すとうたわれています。

さて、同法はこのような理念のもと、実効的な仕組みとして、努力義務ではありますが、地方自治体に協議会の設置と相談センターの配置を求めています。協議会は縦割りを打破するため、また必要な情報を関係機関で共有するための子ども・若者支援地域協議会と呼ばれるものです。一方、相談センターは、ワンストップで複合的な課題を受け付ける、子ども・若者総合相談センターとされています。

これは、昨年の12月議会でも同様の質問がございましたが、改めてお伺いをいたします。本市もそれぞれの機関をつなげる子ども・若者支援地域協議会によるネットワークづくりを構築することを検討しているか、見解をお伺いいたします。

◎教育委員会教育部長(小田成孝) 

平成29年12月議会で答弁いたしましたとおり、本市においては、義務教育中は児童生徒の諸問題に対応するため、各小中学校に対し、県教育委員会からスクールカウンセラーの派遣が行われており、スクールカウンセラーと児童生徒や家庭、そして学校で問題解決のための連携を図っております。平成28年度からはスクールソーシャルワーカーも配置し、問題解決のための連携強化を行っております。また、学校だけではなく、教育相談センターやハートピア岡崎等との連携を図り、個々のケースに応じた相談対応を行っております。さらに、複雑な家庭の事情にかかわることも多いため、福祉関係の窓口や家庭児童相談などとも連携して対応することがございます。

義務教育終了後のひきこもり支援におきましては、保健所がおおむね18歳以上を対象として、メンタルヘルス専門相談やひきこもり家族相談などを実施しております。

また、就労支援におきましては、若者おいでんクラブが就労サポートセンターと連携して、15歳以上40歳未満の若年者の職業的自立支援を行い、進学や就労へつなげるなどしております。

以上のように、子供、若者に対する状況に応じた施策は現状の仕組みの中で十分対応ができており、子ども・若者支援地域協議会のような新たなネットワークの構築は考えておりません。

◆10番(小田高之) 

義務教育中は教育委員会が中心となり福祉部などとの連携を、また、義務教育終了後は、40歳までは保健所の相談窓口が対応しているとのことでした。それでは、子ども・若者総合相談センターについて伺います。

繰り返しになりますが、子ども・若者総合相談センターは、子供、若者が抱える悩み全てに対応するワンストップの窓口であります。また、支援者が当事者などに寄り添い支援をしていく、つまり当事者を関係機関に割り振ることを目的としたわけではなくて、寄り添って当事者とともに一緒に窓口に行くといったような仕組みを指すと考えておりますが、現在、本市の保健所が行っている相談窓口とは多少違うと思いますので、これは現在本市には設置をされておりません。

そこで、これについて設置の方向性はないか、お伺いをいたします。

◎教育委員会教育部長(小田成孝)

本市におきましては、先ほどのとおり、それぞれの施策の中で子供、若者に対する相談窓口を設けており、十分対応できていると考えるため、新たな相談窓口の設置については予定しておりません。

◆10番(小田高之) 

協議会、そして相談センターともに設置の意向がないということを確認させていただきました。その理由として、繰り返しになりますが、複雑な環境に置かれた子供たちに対して、義務教育では教育委員会さんが、それ以上については福祉部、そしてこども部が当たる、18歳以上の若者に対しては保健部、保健所が、また15歳以上40歳未満の就職希望者には経済振興部商工労政課が対応をしていく、そして十分に対応ができているとの答弁であったと理解をいたしました。

私自身設置するべきであると思いますので、ここから少し詳しく伺っていきたいと思いますが、ここで間違えてほしくないのは、個々の課の対応が不十分であるということを指摘しようと思い、続けていくことではありません。そうではなくて、複雑な事情に対応するには、やはり縦割りの支援では難しく、本人に寄り添った支援は総合的なものが必要であると考えるからでございます。そこの認識の差を埋めていければと考えております。

そこで、まずは不登校、就労支援、ひきこもり支援について、確認を込めてお尋ねをしていきます。それでは、現在の小中学校の不登校の数についてお伺いをいたします。

◎教育委員会教育監(伊豫田守) 

不登校の人数については、文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査において調査をしております。そのため、統計法により、市の数値を公表することはできないことになっております。

文部科学省が公表した全国調査の結果では、平成29年度の不登校児童生徒数の割合は、平成28年度と比べて小学校、中学校ともに増加しており、ここ数年間で見ても依然として高水準で推移しているとされております。
本市におきましても、中学校では減少傾向が見られた年度があったものの、総じて増加傾向にあり、教育委員会として課題と捉えております。

◆10番(小田高之)

不登校については増加傾向にあり、高い水準で推移をしている。また、本市においても、減少するときもあるけども、やはりなかなか難しい問題だということがわかりました。

それでは、ちょっと質問を変えまして、さまざまなところで指摘をされていますが、本市が不登校の支援について現在行っていることがあると思いますが、そちらの各施策の過去3年間の実績について教えていただければと思います。

◎教育委員会教育監(伊豫田守) 

不登校支援としては、スクールソーシャルワーカー、それから登校支援員、ハートピアがあります。スクールソーシャルワーカーは、平成28年度より4名を配置しており、平成28年度は35件、29年度は45件の事案を扱っています。延べ支援回数は、28年度が800回、29年度は1,500回を超えています。

登校支援員は3名配置しており、平成27年度が31名、28年度が41名、29年度が42名の児童生徒の支援を行いました。延べ支援回数は、平成27年度が1,324回、28年度が1,892回、29年度が1,961回でした。適応指導教室であるハートピアは、平成27年度よりハートピア上地が新しく開設され、ハートピア竜美と合わせて二つの施設となりました。二つの施設を合わせた登録者数は、平成27年度が61名、平成28年度が64名、平成29年度が70名でございます。

◆10番(小田高之) 

スクールソーシャルワーカーさんが延べで1,500回、登校支援員さんが1,961回、ハートピアさんが70名といった数々の支援を不登校の方に対してされているということを理解するところでございます。

そこで次に、(2)就労支援に移らせていただきたいと思います。

こちらの過去3年間の相談件数、進路決定者、また相談者の年齢についてお尋ねをいたします。

◎経済振興部長(神尾典彦)

就労支援につきましては、西庁舎南棟地下1階にあります若者おいでんクラブで行っております。支援対象年齢は15歳から39歳までとなっており、その中でも比較的若い年齢層、20代が多い状況となっております。

また、過去3年の利用実績は、平成29年度が延べ数でありますが1,266人、28年度が1,686人、27年度が1,572人で、そのうち進路決定者数は、平成29年度が26人、28年度が34人、27年度が36人となっております。

◆10番(小田高之) 

就労支援に関しては、毎年延べで約1,200人ほど、最も多い層は20代の相談者で、大体進路決定者としては毎年約30名前後であることを確認させていただきました。どれも数値としては一生懸命取り組んでいただいていると思うところでございます。

それでは次に、(3)ひきこもり支援についてです。まずは、ひきこもりというのがどういう状態であるのか、本市の見解をお伺いいたします。

◎保健部長(狩野弘生) 

国の「ひきこもり」対応ガイドラインによりますと、ひきこもりはさまざまな要因によって社会的な参加の場面が狭まり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が6カ月以上にわたって失われている状態のことと定義しております。

◆10番(小田高之)

ひきこもりとは、生活の場が長期に失われている状態を指し、さまざまな要因からその状態になることが特徴とのことでした。少し申し添えさせていただきますと、さまざまな要因とは、言いかえると、単純な理由でその状態にあるわけではないということが考えられます。つまり、精神病や家族との不和、本人の性格的な問題、いじめ、不登校など、これだからこうだという原因があり、長期にわたり生活の場が失われているわけではないというのが、さまざまな要因というところで指されているということだと推察するところでございます。

それでは、最近社会的ひきこもりという言葉も伺うことが多いんですが、社会的ひきこもりとひきこもりの違いについて、本市がどのように認識されているのか、お伺いをいたします。

◎保健部長(狩野弘生) 

ひきこもりは、さきに説明をさせていただいたとおり、病名や診断名ではなくて、6カ月以上自宅に引きこもって社会参加しない状態が持続しているという状態でございまして、その原因として、精神保健福祉の視点から、精神疾患・障がいを抱えることが疑われるひきこもりと、それ以外の疾患等の疑いがない場合、または生活問題が課題と思われるひきこもりに区別をされまして、社会的ひきこもりは後者に当たります。

◆10番(小田高之)

社会的ひきこもりというのは、国の対応ガイドラインでは、長期ではなく6カ月以上、またひきこもりを引き起こした原因が他の精神障がいがその第一の原因とは考えにくいものであると定義をされています。

本市のひきこもりに対する見解と国のガイドラインのいわゆる社会的なひきこもりでは、期間、そして原因の確定という意味で若干のそごがあると考えられます。特に、社会的ひきこもりについては、本市はさまざまな要因と言っていますが、一方で、国においては明確に精神障がいをそこから省いています。定義の問題で細かい話で恐縮ですが、線引きの問題が重要であるとすれば、本市の見解を再考していただくことをお願いいたします。

では、ひきこもり対策の難しさについてどのように認識しているか、お伺いをいたします。

◎保健部長(狩野弘生)

ひきこもり対策の難しさとしては、まずひきこもり者本人への対策といたしまして、精神疾患等が疑われる場合、社会との交流を避けている状態の中におきまして、本人に病気の自覚がなく、ひきこもり者がみずからSOSの声を上げないことから、医療につなげていくことが困難であることが考えられます。

また、家族への対策といたしましては、世間体など家族も助けを求めず、ひきこもり者の把握が困難であることから、何らかのハプニングが起こらないと相談につながらず、支援が開始するまでの時間を要することなどがございます。

このようなことから、支援者側としては、支援期間が長期にわたるなど、困難さを痛感しております。

◆10番(小田高之)

精神病があるかないかということがわからず、なくてもひきこもる可能性があるということ、また長期にわたる支援が必要であること、またコップの水がぱっとあふれたら、やっと支援の手が差し伸べられるという話も聞いたことがありますが、ハプニングが起こらないと、臨界点に達しないとなかなか支援につながらないということで時間を要すること、また当人だけではなく家族が非常に大切であるということを、対策の難しさとして理解をしました。

それでは、現実に本市のひきこもりの数、推計でもあれば結構ですので、教えていただければと思います。

◎保健部長(狩野弘生)

平成27年12月に、全国の15歳から39歳の5,000人を対象とした内閣府の若者の生活に関する調査結果から、自室からほとんど出ない、近所のコンビニ等へは外出できる狭義のひきこもりが0.15%、趣味などに関する用事のみ外出できる準ひきこもりが1.06%存在すると報告されております。この結果を参考に本市のひきこもり者人数を算出いたしますと、約1,800人と推計されます。

◆10番(小田高之)

ひきこもりの推計は1,800人ということでありました。ひきこもりという性質上、なかなか推計することが難しいとは思います。確かに、今、推計に用いたのは内閣府が行った調査をもとにしたものですが、こちらは対象が15歳から39歳で、若年層を対象にしたものです。他方で、ひきこもり問題ということに限りますと、最近では8050問題と言われるように、ひきこもりの高齢化、そしてその家族の高齢化も進んでおります。

それを受け、例えば、平成27年に山梨県が実施した調査を見ますと、ひきこもりのうち約6割の人が40歳以上、また平成29年に佐賀県が行った同様の調査では、40歳以上のひきこもりの方が71.3%という結果になっております。また現在、内閣府でもこれを重く受けとめたのか、本年度調査費を計上し、40歳から59歳を対象にした初の実態調査を行うとしております。

調査結果が待たれるところではございますが、対象年齢の幅を考慮いたしますと、本市が推計している1,800人、これは40歳までですので、40歳以上を考えていきますと、もうちょっと多くの方がひきこもりをしているのかなということが拝察できると思います。ぜひ本市でも実数の調査をしていただきたいと思います。

さて、それでは現在、冒頭の答弁にもございましたが、本市の体制において、ひきこもり等、18歳以上で問題を抱えている当事者とその家族の相談を受ける窓口は保健所にございます。

そこで、過去3年間の保健所におけるひきこもりに関する支援の実績について、お伺いをしたいと思います。

◎保健部長(狩野弘生) 

おおむね18歳以上を対象とする保健所のひきこもり支援といたしましては、電話、面接、訪問相談を随時実施しております精神保健福祉相談、予約制で、年2回専門家による面接相談を実施しておりますメンタルヘルス相談、ひきこもりの家族の潜在的な力の回復、強化を図るための家族会は年間17回実施しております。

平成27年度から平成29年度までの3年間のそれぞれの支援内容における延べ実数は、平成27年度より順に、精神保健福祉相談の電話件数では36件、11件、14件、面接件数は54件、22件、36件、訪問件数は18件、15件、35件、家族会参加者数は101名、147名、122名、メンタルヘルス相談は毎年度6件となっております。

◆10番(小田高之)

今、保健所さんが行っている相談窓口では、おおむね18歳以上を対象としたひきこもり支援ですが、電話、面接、訪問相談を随時実施しており、また精神保健福祉相談、メンタルヘルス相談を実施しているとのことでした。実績としては3年間の平均で、電話、面接、訪問が約80件、メンタル相談が6件、家族会参加者数が約120人ほどとのことだったと理解をいたしました。

それではこの実績、また先ほど御答弁にあったひきこもりの方の推計値などを推しはかり、また他市と比較しつつ、本市のひきこもり支援についてどのように考えているのか、改めてお伺いしたいと思います。

◎保健部長(狩野弘生)

ひきこもり支援につきましては、精神保健福祉の視点から、精神疾患・障がいを抱えることが疑われるひきこもり者とその家族を主とする支援を主眼として実施しております。それ以外の疾患等の疑いがない場合や、生活問題が課題と思われる社会的ひきこもり者とその家族からの相談があった場合にも、その都度、そのニーズ、状況に応じ、支援機関や相談機関からの情報提供や支援が途切れることのないよう、次の相談機関へと橋渡しを実施しております。

平成30年5月の愛知県障害福祉課が取りまとめた名古屋市を除く県内保健所の平成29年度ひきこもり対策事業の実施状況におきましても、本市の実績は遜色ないものと考えております。

◆10番(小田高之)

実績は遜色ないものと考えているということでした。

ただ、人口規模が同程度の中核市である豊橋市の平成29年度の保健所の実績は、電話27、面接90、訪問3で、計120件です。岡崎市で同様の平成29年度は電話14件、面接36件、訪問35件の計85件、これは確かに豊橋市さんと比べても実績としては遜色がないと思っております。また、家族会の数字は持ち合わせておりませんが、遜色ないと拝察をいたします。

しかしながら、豊橋市さんは現在、子ども・若者総合相談センターを開設しております。平成29年度の実績、相談件数は延べで4,674件、実際の相談人数は495人と伺っております。保健所の運営に加えて相談センターを運営することで、これだけの人が相談に来ているということが豊橋市さんからのケースでわかるかと思います。また、豊橋市さんのケースで言えば、保健所さんが精神疾患・障がいを抱えている当事者、その家族を担い、それ以外のひきこもり、社会的ひきこもり、生活支援、貧困等、子供、若者が抱える問題については、相談センターが対応しているとも伺っております。

さきのひきこもりの定義の話で線引きをすると、精神疾患を抱える、いわゆる保健所が本来得意とするひきこもりは保健所が、ほかの精神障がいが第一の原因ではない社会的ひきこもりについては、子ども・若者総合相談センターが相談、支援を行っているものだと考えられます。保健所さんにとっても、こういったすみ分けができて、風通しがよくなるというふうに拝察するところでございます。

それでは、ひきこもり支援について、さらなる充実を考えているのか、見解を伺います。

◎保健部長(狩野弘生)

現時点におきまして、関係各機関との情報共有を含めまして、既存事業の充実、改善などを行うことで、ひきこもり者とその家族に寄り添っていきたいというふうに考えております。

◆10番(小田高之)

保健所さんとしては、家族の支援を充実していくことを検討していただけるということでございます。ぜひよろしくお願いをいたします。

さて、教育委員会さんから冒頭にありましたように、本市としては各課における困難を抱える若者、子供に対する支援は十分に行われている、その連携もうまくいっているということが御答弁としてあったわけでございます。そこで、所管する各部の方にお答えをいただきました。

義務教育過程における不登校等における問題は教育委員会さんが、卒業後の18歳以上40歳未満の就業希望者には商工労政課、若者おいでんクラブさんが、また保健所では15歳以上の精神保健福祉の視点から、精神障がいを抱える人たちを主とする立場から、ひきこもりの支援が主に行われているということでございました。また、その途中、数字を確認させていただきまして、各課における支援はそれぞれの立場から成果を上げていると拝察するところでございます。

しかしながら、再考をお願いしたいのは、ひきこもりの当人やその家族にとり、必要な支援はどういうものがあるのかということです。現状において、やはりたらい回しが懸念されます。答弁に立っていただいた各部は困難を抱える子供、若者やその家族にとり、問題が長期化することで歩む担当課でございます。不登校のうちは教育委員会、また保健部、また福祉部、卒業後は保健部、そこから支援がうまくいけば経済振興部です。

ここで、先行事例として注目を集める名古屋市の子ども・若者総合相談センターのセンター長は、子供、若者の支援で大切な要素として、専門性よりも関係性と述べられております。重複した困難を抱える相談者に対しては、一つ一つの問題を解きほぐし、その一つ一つに寄り添い、一緒に伴走してくれる身近な存在、斜めの関係の人がいなければ支援が成り立たないというようなことを指摘されております。言いかえれば、高度な専門性を持つ市の職員ではなく、寄り添うプロが支援には必要であると考えます。そして、協議会、子ども・若者総合相談センターの必要性はここにあると思います。

最後に、もう一つ違った切り口で再考をお願いしたいと思います。子供、若者を救うことは一つの投資として考えることができます。もちろん支援のゴールが一概に就労とすることには注意しなければなりませんが、それでも外へ出て納税者になっていただくことは、財政的にメリットがあるはずです。

そこでお尋ねいたします。生活保護の年齢別基準生活費について、教えていただきたいと思います。

◎福祉部長(内田次夫)

平成30年10月に、生活保護の最低生活費を定める基準額が改定されております。その中で、単身世帯の生活扶助基準額は7万1,240円から7万1,790円でございます。また、それ以外に、10月から4月までの冬季加算や障がい者加算などの各種加算を認定しております。
 以上でございます。

◆10番(小田高之)

仮にひきこもりが長期化して、ひとり暮らしで生活保護を受給することになれば、最低でも月に7万1,240円、年で1人当たりにすると約85万円です。豊橋市が実施している子ども・若者総合相談窓口は、年間1,800万円で運営されていると聞いております。単純に計算をいたしましても、1,800万割る85万で約21人の困難を抱える子供たちをそこから救い出すことができれば、相談センターの運用の採算が合うという計算も成り立つかと思います。ぜひ投資という側面からも、再考をお願いしておきたいと思います。

最後に、一言だけつけ加えさせていただきますと、現在この仕組みを実施している市町では、本市で言うところのこども部が所管課となっております。ぜひそこら辺のことも考慮に入れていただければ幸いでございます。御丁寧な御答弁をありがとうございました。

それでは、大きな2番、豊かな心を育む社会教育についてに移ります。

(1)第3次岡崎市子ども読書活動推進計画についてです。

先日までの答弁で、第3次子ども読書活動推進計画については理解をさせていただきました。これからの時代を生き抜くためにも、子供のころから読書の習慣を持つことは有益であると、私も同じ認識でございます。

そこで、重複する箇所もあると思いますが、改めて来年度より実施するに当たり作成された第3次計画案について、アンケート調査の分析も踏まえ、本市の子供読書活動の現状と課題についてどのように考えているか、お伺いをいたします。

◎社会文化部長(河内佳子)

アンケートの調査ですが、市内の小学校、中学校、高校の児童生徒及び園児、そして小学生の保護者を対象に行いました。調査結果から見えてきた子供の読書活動の現状と課題としては、以下の3点に集約されると考えます。

1点目ですが、本を好きなことが読書に結びついていないということでございます。小学生では改善傾向が見られるものの、全ての年代で、本が好きなのにもかかわらず、実際の読書活動はそれほど活発ではございませんでした。本に触れられる場所と機会を充実させ、読書習慣の定着につなげる必要がございます。

二つ目として、図書館や学校図書館の利用の課題として、中高生の半数以上は図書館などで本を借りていないということが挙げられます。蔵書の充実や読書環境の整備により、魅力あふれる図書館や学校図書館づくりが重要と捉えております。

三つ目として、不読率の高どまりでございます。不読率というのは1カ月間に1冊も本を読まなかった者の割合を指しますが、平成25年の調査と比べ、小中学生は改善いたしましたが、高校生は依然として5割を超える状況でございました。改善には、図書館を初め、家庭、地域、学校における発達段階に応じた効果的な取り組みが必要とされ、とりわけ10代の子供に対する働きかけが重要であると思います。

このような状況と課題から、重点取り組み事項の考え方を掲げ、第3次岡崎市子ども読書活動推進計画案を取りまとめました。

◆10番(小田高之)

本市の課題は3点、一つは本が好きだが読書習慣になっていない、二つ目に、中高生の図書館利用率が低い、最後に、月に1冊も本を読まない子供がいるというのが、分析の結果、浮かび上がってきたことだと理解をさせていただきました。

それでは、この課題に対し、第3次計画で新たにどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。

◎社会文化部長(河内佳子) 

第3次計画は、今後パブリックコメントを実施する予定でございまして、素案の段階での概要を申し上げます。

第2次計画における事業を見直し、新たに16の事業を取り上げております。主な内容としては、中央図書館の実施する岡崎特別支援学校へのセット貸し出し、それからこども発達相談センターで実施する療育的支援事業、にこにこきっずにおける読み聞かせの実施のように、障がいのある子供たちへの読書活動に関する既存の取り組みについて、改めて位置づけを行っております。

また、前述したような課題を受け、学校図書館の充実に関する取り組みのほか、中央図書館においては、さらなるティーンズ向けイベントの実施に取り組むこととしております。具体的には、ビブリオバトルやボードゲーム会など、中高生を対象としたイベントを実施することで、図書館へ来館するきっかけを提供し、同世代によるつながりを通して、読書への興味や関心が広がるような事業に取り組みたいと考えております。

第2次計画から継続して取り組むさまざまな事業と、これらの新規の事業とを合わせて、未来の岡崎市を担う子供たちが人生をより深く生きる力を身につけるため、読書活動推進に努めてまいります。

◆10番(小田高之)

第3次計画では新たに16の事業を、さきの課題の解決に向けて、ビブリオバトルやボードゲーム会など、中高生を対象としたイベントの充実を図っていくというところはこれから楽しみなところでございます。

それでは次に、(2)学校図書館に移ります。

本が好きだけども読書習慣につながらないこと、年齢が上がるとともに本に触れる機会が減少することが課題として挙げられておりました。答弁でも、課題解決に向け、中央図書館の充実はもちろんですが、子供たちにとり、最も身近な図書館である学校図書館の充実もまた大切であるといったような趣旨のことをおっしゃられておりました。大変共感するところでございます。

第2次計画では、学校図書館の充実として、学校図書の充実、司書教諭の配置、学校図書館資料のデータベース化の推進等に取り組まれてきました。そこで、第3次計画では学校司書の配置に努めるとありますが、それについて教育委員会の見解をお伺いいたします。

◎教育委員会教育監(伊豫田守)

現在、各小中学校では司書教諭、図書主任を中心に、教員補助者とともに学校図書館の運営、整備を行っております。教員補助者は学校規模に応じて、週4時間以上、もしくは週8時間以上の図書館にかかわる活動をしており、学校司書としての役割を担っております。週6時間(後刻訂正あり)の図書館にかかわる活動をしている学校もあり、充実した学校図書館運営がなされているということも聞いております。

第3次子ども読書活動推進計画を受けて、各小中学校への教員補助者のさらなる有効な活用を促し、学校図書館運営や読書活動の充実を図っていきたいと考えております。

◆10番(小田高之)

そこで、学校司書というのが新しく新規事業として立ち上がったわけなんでございますが、学校司書とはどのような存在を指すのか、また学校図書館にとってどのような機能を担うのか、今の段階で検討していることがあればお伺いしたいと思います。

◎教育委員会教育監(伊豫田守)

先ほど、週6時間の図書館にかかわる活動ということで言いましたが、週16時間かかわっておる教員補助者がおるということで、こちらの学校は大変充実しておるということです。

ただいまの学校司書にかかわる質問ですけども、学校司書は学校図書館にて図書業務に当たる人で、司書や司書教諭の資格がなくてもよいことになっております。活動内容は、学校図書館にある図書資料の紹介、提供や広報、学校図書館の整備、図書館を利用した学習活動の支援、図書館での貸し出し・返却業務、新着本の受け入れ業務を担当しております。

岡崎市では現在、先ほども申しましたように司書教諭、図書主任、教員補助者がこうした役割を担っておりまして、今後、こちらを充実させていくというふうに考えております。

◆10番(小田高之) 

学校司書、そして学校図書館を充実させていくということでございます。子供にとり大切な施設だと思いますので、今後に期待をしていきたいと思います。ぜひよろしくお願いをいたします。

それでは最後、大きな3番、公共交通についてです。

公共交通には、バス、電車、タクシーなどが挙げられます。本市において多くの議論がなされ、公共交通のあり方についてさまざまに検討されていると思います。その中で、自転車もまた一つ公共交通であるという考えから、以下質問をさせていただきます。

(1)JR岡崎駅周辺の自転車駐輪場です。
 先日までの答弁で、JR岡崎駅の駐輪場については理解をいたしました。ただ、一つ懸念されるのは、西口の駐輪場の再整備に伴う有料化の値段設定についてです。

西口駐輪場の整備については、東口同様、民設民営での設置を検討していくとの御答弁でした。サービス向上に伴う受益者負担、そして改札口からの距離という物理的な側面からの公平性を考えれば、西口の有料化は妥当な判断であると思います。
 そこで、改めて確認のために、現行の東口の値段が設定された経緯とその料金に関して、また事業者との何か定めはあるかについてお伺いをいたします。

◎都市整備部長(籾井泰晴)

議員御理解のとおり、東口の駐輪場は民設民営の駐輪場でございます。駐輪場の事業者を公募する際に、要求水準といたしまして、近隣駅の有料駐輪場と均衡した料金とするということを条件としております。その際、東岡崎駅周辺の料金を参考金額として例示いたしておりまして、その額が自転車の利用料金では1回150円から200円、1カ月定期の場合、2,000円から3,000円ということでございました。この数字をもとに、事業者が現在の金額を決定しております。

続きまして、料金に関してのことなんですが、本市と事業者が土地の貸付契約を締結しております。その中の条項として、市は同等の機能を有した近隣の有料駐輪場の料金に比して不相当な料金であった場合、改善勧告を行うことができる、こういった条項がございます。

◆10番(小田高之)

同等の機能を有した近隣の駐輪場と比較して不相当であった場合、料金を改善勧告することができるとのことでした。反対から言えば、他所と比較して不相当な料金設定でなければ、料金の改善勧告はできない、しないということです。民設民営であれば、料金設定は不相当でない限り当局が介入すべきではないと思います。西口も含め、公共交通の結節点が市民に有益なものになることを期待して、次の質問に移ります。

(2)サイクルシェア実証実験です。バス、電車等で、停留所、駅に着いたその先の公共交通として、市民や観光客にとり、有用な手段の一つに本市が進めているサイクルシェアがあります。自転車が主な交通手段である町は回遊性が高まり、にぎわいが生まれる可能性が高く、運動するという側面からも健康にいいとも言われております。他の手段と比べ、副次的な効果が高いと考えられます。

現在、本市が進めているサイクルシェアはウエブ上でしか決済ができないという初期のハードルの高さを抱えている一方、そのシステムのために自転車を置く場所を自由に変更でき、また新たに増設することが容易であるというメリットを持っていると認識をしております。

そこでまず、サイクルシェアの稼働状況についてお伺いをいたします。

◎総合政策部長(山本公徳)

サイクルシェアの稼働状況につきましては、平成29年12月から現在のような有料の利用というものを始めたところでございますけど、1カ月間の利用が294回でございました。それに対しまして、直近の平成30年10月の1カ月間の利用が794回と、着実に伸びております。売り上げも、平成29年12月が5万3,850円に対しまして、平成30年10月は17万9,450円と伸びております。なお、この10月の実績は過去最高の売り上げとなっております。

◆10番(小田高之)

現状では売り上げが約18万円ほど、当初より約13万円ほど伸びていることを確認させていただきました。

市役所、康生あたりで、たまに市役所のジャンパーを着た人がサイクルシェアを使用しているのを見かけます。今年度から公用車等の代用として活用すると説明があったと思いますが、利用状況についてお伺いをいたします。

◎総合政策部長(山本公徳)

平成30年度から公用車、公用自転車の代替としてサイクルシェアを活用しておりまして、4月から10月の7カ月間で職員137人、延べ1,268回の利用がございました。大変よく使っていただいていると思っているんですけど、その理由といたしまして、公用車等と比べまして、貸し出しや返却に要する時間、また車庫までの移動に要する時間が短縮されることで、事務効率の向上が図られているのではないかと考えております。

加えまして、現場によく赴きます技術系の職員からは、中心市街地など駐車場の少ない現場に行く際、駐車スペースを探すような手間が省け、大変使い勝手がよい、そのような好評を得ております。

◆10番(小田高之)

私も使用させていただきましたが、電動アシストつきの自転車で、坂道も楽々で快適ですし、駐車場を探す面倒が解消されるのはうらやましいことです。売り上げに貢献しているのであれば、市役所に限らず、民間企業の方もぜひ社用車の代用として活用していただければと思います。

さて、本市のサイクルシェアの特徴は2点、自転車をとめる場所、ポートを自由に変更できること、また増設が容易であることが特徴であると考えております。東岡崎駅にあったポートが、工事の影響により変更になったと聞いております。

そこで伺いますが、移設したことによる影響はどのようなものだったか、お伺いをいたします。

◎総合政策部長(山本公徳) 

お尋ねの東岡崎駅のポートにつきましては、9月に明代橋のたもとから西三河事務所前に移設しております。場所的には大変悪いところに移設しております。移設後のポートの利用状況を見ますと、移設前の8月が626回利用されております。移設後の9月が351回、10月が408回と、やはり移設前より減っておりまして、少なからず影響はあると考えております。

そのため、利用率をさらに戻すために東岡崎駅に近いところのポートが適地と考えておりまして、今、探しているところでございます。

◆10番(小田高之)

やはり利便性が悪いところにポートを置くと利用率が下がるという、当たり前と言えば当たり前のことかもしれませんが、そういう話であったと思います。

ポートの場所を変える、そして増設できることがサイクルシェアの大きな特徴であると思います。利用率や利便性、さまざまなことがあると思いますが、今後、ポートを増設していく考えがないか、お伺いをいたします。

◎総合政策部長(山本公徳)

サイクルポートの増設についてのお尋ねでございますけども、まずサイクルシェアは実証実験終了後に民間事業者に事業を譲渡する前提で行っております。現在の稼働状況は先ほど申しましたように順調に伸びているんですけども、現状では採算が合う状況にはありません。こうした事業を実証実験から次の事業化につなげるためには、収支の不均衡を改善する必要があると考えております。

サイクルポートの増設につきましては、これまで利用者の方々から、イオンモールや岡崎駅へのポート設置、こうした要望も多く寄せられております。今後、サイクルシェアのシステムを使って利用者アンケートを行いまして、利用者の意向を把握した上で、利用率や採算性の向上、こうした諸点を検証した上で、サイクルポート設置のエリア拡大に必要な収支改善の策を図っていきたいと考えております。

また、議員先ほど言われましたとおり、本市のシステムは土地所有者が自発的にポートを設置できる仕組みとなっております。今後はコンビニ、ファミレスなどのチェーンストアにも設置を働きかけてまいりたいと考えております。